投開票まであと10日となった東京都知事選
各地で熱戦が繰り広げられる中、候補者たちの選挙戦略はどのようになっているのだろうか?
知名度が足りない増田寛也氏は?
(増田氏)増田寛也でございます!よろしくお願いいたします。
梅雨明け間近の蒸し暑さが残る昨日、7月20日(水)、午前8時から街頭演説に立った自民党推薦の増田寛也氏。東京西部などを中心に12か所を精力的に回った。
(増田氏)今朝、地震がありました。地震があったときどうしたらいいのか?私はすぐに思いました。総理にすぐ連絡を取る。そして官房長官にも連絡を取る。一方、地元の市町村にもすぐ連絡を取る。
これまで街頭演説や視察などを54回と小池百合子氏の43回や鳥越俊太郎氏の22回など他の候補者と比較しても最も多い回数となっている増田氏。
それにはやはりこんな思惑があるようだ。
(増田氏)知名度がやっぱり足りない。できるだけ顔を出したい。パフォーマンスはしないで政策を訴えたい。
知名度アップ作戦に賭けて精力的に遊説をおこなっている。
抜群の知名度を誇る鳥越俊太郎氏は?
争点のひとつである待機児童問題の視察のため、世田谷区内の保育施設に訪問していた。
(鳥越氏)子供たちを取り巻いている環境は、やっぱり僕が思っていた以上に厳しいなぁという実感ですね。
告示以降、街頭演説や視察の回数は22回とやや少ない印象を受ける鳥越氏だが、
(鳥越氏)市民の皆さんと直に触れ合う集会に行って、そういう形もありだと思う
ジャーナリストらしく、あくまで都民の声をじっくり取材するというスタンスを貫くようだ。
孤軍奮闘の小池百合子氏が打ち出したある戦略とは?
(小池氏)ご通勤途中の皆さま、都知事候補、小池百合子でございます。
無所属から出馬する小池百合子氏。昨日は朝8時から新橋・浜松町など8か所を精力的に遊説した。
(小池氏スタッフ)写真を撮ってSNSに載せてください!!SNSで拡散していただきたいと思います!!
遊説を聞きに集まった人に小池氏との写真をツイッターやフェイスブックなどのSNSで拡散してもらうよう呼びかけている。
支援者による拡散を狙う草の根作戦。選挙カーにはSNS拡散希望の文字も刻まれている。
対する増田氏や鳥越氏もツイッターやフェイスブックで選挙の様子を頻繁に更新している。
もはや、SNSによる選挙PRは政策を広める手法として欠かせないようだ。
中でもツイッターのフォロワー数が約202,000人と、鳥越氏の約156,000人や増田氏の約4,000人と比較してもダントツの小池氏。
この戦術の手ごたえはどのように感じているのだろうか?
(小池氏)わたくしは組織であるとか政党のバックアップがない。それはひとりひとりの皆様方にご支援いただかなければならない。SNSは今、世界を動かして、直接個人のほうに届きますので、それを皆さん是非ネットワーク化して、そして勝利に導きたいと思っています。
政治心理学者はSNSによる政治戦略をこう分析する
今回の都知事選というのは、SNS選挙の歴史的な転換点になる可能性があると思っている。参議院選挙で、18歳の投票率は全国で50%ちょっとを超えたくらいだった。SNSを見て友達同士で共有したり、拡散したりして、「どの候補者がいいのかな?」と判断するという、そういうトレンドがこれから起きてきそうな気がします。
残り10日となった都知事選。加熱する3候補者の選挙対策本部はどのようになっているのだろうか?取材映像をもとにそれぞれの特徴を分析した。
それぞれの事務所で候補者たちはどのように戦術を練っているのか?
増田寛也氏の事務所
千代田区内の自民党本部から500mほどの場所にある増田氏の選挙事務所。事務所に入り目につくのは壁一面に貼り付けられた大量の必勝祈願!かなりの方から支持を受けていることがみてとれる。その中にも安倍総理の必勝祈願も存在した。
目に飛び込んできたのは支援の厚さを伺わせる大量の必勝祈願ポスター!
更に、今日は環境衛生協会からの推薦状をお預かりして届けに参りました。毎日数百人単位が応援に訪れるという増田氏の事務所。各支援団体からの推薦状がズラリと並んでいる。事務所となっている2つのフロアには約60名の選挙スタッフが日々、活動にあたっている。
小池百合子氏の事務所
池袋駅の目の前にある小池氏の選挙事務所。入ってすぐに飾ってある花は「ユリ」の花。
入口に飾られていたのは小池氏の名前にちなんだのか、かぐわしいユリの花。さらに中に入るとスタッフは女性ばかりと華やかな雰囲気である。「全部ボランティアスタッフです。組織的なお手伝いは一切ないので、小池先生一人で頑張っていらっしゃるので、全部手弁当です」
壁一面に貼られているのは個人の支援者から届いた応援メッセージの数々。
スタッフは小池氏のテーマカラーであるグリーンを身に着け、日々選挙活動を支えている。
鳥越俊太郎氏の事務所
都内の好立地に置かれる候補者たちの選挙事務所。中にも、南青山という一等地に事務所を構えているのが鳥越氏。
しかし、鳥越氏が拠点として利用しているこの場所は、参議院議員の蓮舫氏の選挙対策本部だった場所。現在、その壁一面に貼られているのは鳥越氏の選挙ポスターのみ。
本人に選挙戦についてのこだわりを聞くと
(鳥越氏)ずっとこの20何年間、私の衣服の面倒を見てくれた女性がいるんです。スタイリストの人が。そのスタイリストの人にお願いして。今回もお金を払い洋服のケアをしてもらっている。
外見への印象に人一倍気をつかう鳥越氏。さらに遊説の際にはタスキをかけないなど、自分なりのこだわりがあるようだ。
さいごに
残り10日となった都知事選。この他にも18名の候補者が立候補している。
果たして都知事選の行方はどうなっていくのだろうか?
マスコミも知名度だけの話題の人物のみではなく、候補者をきちんと公平に取材してもらいたいというのが本音である。まあ、結局は政治よりも数字なのでしょうか?
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