近年、「ダイバーシティ」という言葉をよく聞きます。企業の女性の積極的な登用のときに使われることが多いです。
しかし、「ダイバーシティ」は直訳すると「多様性」という意味で、女性に限らず、年齢や経歴、国籍など、多様な人材がそれぞれの能力を生かせるようにという文脈で使われます。
バブル経済まで
これまで、とくにバブル経済までは、日本の会社は、極めて画一的でした。
大学の新卒で新入社員を採用し、年功序列で給料が上がっていき、一生同じ会社に勤務する人が多かったのです。
女性は主にOLなどの補助的な業務で、会社の実権は中高年男性が握っていました。
日本の社会
そもそも日本は、島国でほぼ単一民族という社会です。決まった地域で定住する村社会で、村のおきてを守って協調性を保つことが美徳とされてきました。
バブル崩壊
バブル崩壊までは、「日本のおじさん」が中心となって経済が回っていました。日本のおじさんが実権を握り、おじさんのための商品が開発され、おじさんがメインに消費するという図式です。しかし、バブルが崩壊した後は、それでは経済は回っていきません。
ダイバーシティ
今後は、日本のおじさん以外の多様な客層(外国人、女性、子供、高齢者など)をターゲットにし、多様な社員を戦力として雇用していかないといけません。
そのために、積極的に女性や外国人、他分野の経歴を持つ者などを雇用する必要があるのですが、なかなかダイバーシティは進んでいません。
男女格差
世界145か国での男女の平等度のランキングでは、日本は101位です。G7では最下位であり、発展途上国よりもひどい状況です。
主に女性の管理職や政治家の少なさが影響しています。
投資家が投資をする企業の指標として、女性管理職の割合の高さが挙げられますが、日本の企業の女性管理職の割合は7%以下と、極めて低いのです。
生き残り
今後の国際社会で、世界と戦って生き残るには、ダイバーシティの推進が不可欠なのです。しかし、同じ文化・言語・風習を持つ日本人女性を採用し、うまくやっていくこともできない会社が、世界で戦えるはずがなく、将来性がないということです。
もちろん、女性を多く雇用し、女性管理職が多いからといって、企業が必ず生き残れるわけではありませんが、それすらできないのでは生き残れないという理論は、もっともです。
さいごに
日本の生き残りと繁栄には、ダイバーシティの推進が必要なのです。
これまで、おじさんというだけで、(大して優秀でなくても)優遇されてきた人にとっては、ダイバーシティを積極的に推進したくないかもしれません。
しかし、その場合は、企業も日本も、衰退する一方ということになります。
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