競売物件は不動産市場より3割ほどと大幅に安い価格で購入できることが多いです。
訳ありでも気にならないのなら何かとメリットの大きい物件となります。
ご自身で落札が難しい場合は競売の代行会社にお任せすることも可能です。
競売物件はどんな物件
新聞などで不動産競売物件情報をご覧になった方は多いと思います。
競売物件は前のオーナーさんが住宅ローンの返済が困難になり、債権者から担保に入れた住宅を差押えされ競売にかけられた物件のことです。
いわゆる訳ありの物件となりますが、不動産市場より3割ほどと大幅に安い価格で購入できることが多いです。
土地だけ、土地と建物とセットで競売にかけられることがあります。
特に訳ありでも気にならないのなら何かとメリットの大きい物件となります。
競売物件の入札は
競売物件では裁判所が1週間ほどの入札期間を定めています。
これを期間入札と言いますが、入札期間の1か月ほど前になると新聞などに競売物件の情報が載ります。
入札期間中に裁判所にて入札書を提出し、予め決められている開札日に立ち会いし、一番高い価額を付けた入札者が落札者となります。
入札期間内に入札が無かった場合は、開札日の翌日から1週間の特別売却期間が設けられて先着順に購入者が決まります。
条件の良い競売物件は入札者が多くなる場合が多いので、特別売却になる競売物件は人気の無い物件と言うことになります。
入札するには保証金のお支払が必要です。
その保証金は売却基準価額の10分の2以上となっており、1000万円の価額なら200万円の保証金とかなり高額です。
終了後に戻ってきますが、一番高い価額を付けて入札した者が代金をお支払しないときは保証金は没収となります。
なぜ高額な保証金があるのかと言うと利害関係のある者が入札を繰り返して価額を釣り上げることを防止するためです。
代行会社にお任せできる競売代行サービスとは
ご自身で競売物件を落札しようとしても、知識が無かったり仕事で忙しかったり中々難しいものがあります。
そんなときは競売物件の代行会社にお任せすることが可能です。
前のオーナーさんが立ち退いてくれないと言ったトラブルが起こりがちですがそんなときでも代行会社が代行してくれます。
競売物件のメリットとして、市場価格の40~60%ほどの安い価格で購入できることが大きいのですが、その反面、事前に物件の下見ができないことや購入後に瑕疵などがあった場合でもアフターケアがないなどのリスクがあります。
このようなリスク回避のために代行会社は存在しております。
代行会社を利用するとどのような流れになるの?
代行会社もたくさんあります。
これは通常の不動産購入と同じように、数社に問い合わせをおこない、担当者と話をして一番しっくりくる会社を選択していく事です。競売代行の契約を結ぶまでは基本的にお金はかからないところが多いので、サービス面も加味して吟味しましょう。
一般的な競売の流れは以下となります。
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予算額と代行会社の検討
まずはどのくらいの予算の物件を購入したいのか?ご自身の予算を決めておきましょう。もちろん代行会社と相談しながら決めていくのもありです。その地域によって入札の相場がありますので、プロの意見を聞きつつ通常物件との価格相場を把握して検討しましょう。代行会社は何件かに問い合わせをすれば、勝手に向こうから営業をしてきますので、会話をしながら徐々に絞っていけば良いでしょう。
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競売物件の選定・物件調査
代行会社が現在競売に出されている物件を紹介してくれます。このあたりの資料の質は各社さまざまなようなので、他社と比較しながら検討していきましょう。
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入札から開札
お気に入りの物件が見つかったらいよいよ入札です。競売基準価格を基に各社独自のシミュレーションで落札予想金額を決めていきます。
競売なので他社で欲しているユーザーよりも少しでも高い金額を入札する必要がありますが、競売のメリットは「市場価格よりも安く購入できる」といった点なので、その駆け引きは各社の腕の見せどころといった感じでしょうか。
入札額が決まれば、入札に必要な書類の準備や手続きなので事務処理は代行会社がおこなってくれます。
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売却許可決定・確定
入札した価格が、同物件の入札のなかで最高価格であれば、裁判所から売却許可決定が買取申し受け人に対してくだされます。 異議申し立て等がなければ、売却許可決定から1週間後に確定されます。
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明け渡し交渉
落札した物件が空家であっても、物を残したままであれば、それらの物は勝手に破棄できませんので、一時保管などの処置をおこないます。また、占有者に対しては明け渡しの交渉に入るわけですが、これらも全て代行会社がおこなってくれます。
この際、立ち退き費用としての引っ越し代と敷金や残置物の保管料(総額で約30~50万円)を落札者が負担するのが一般的となっているようです。
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代金の納付
売却許可決定の確定後、「代金納付期限通知書」が届きます。届いた内容に従って必要書類を準備・提出して代金の納付をおこないます。このあたりの不明点もドンドン代行会社に聞いてください。
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引き渡し命令・強制執行
明け渡しがすんなり進めばよいのですが、高額な立退き料を要求する「悪意のある業者」などが占有している場合は、任意での明渡しが困難となります。そんな時は引き渡し命令を必要に応じて申し立て、その申し立てが確定すると強制執行の申し立てができるようになります。これらの手続きも代行会社がおこなってくれます。
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物件の引き渡し
占有者が明け渡しをしたら、晴れて購入不動産を自由に使用することができるようになります。居住用としての購入であれば、リフォームやリノベーションをおこなっていきます。代行会社に相談すれば、業務提携しているハウスメーカーを紹介してくれたりもしますが、この部分で大きな金額になってしまっては、せっかくの競売物件も台無しです。
この頃には代行会社の担当者とも信頼関係が築けているとは思いますが、あくまでも相手は商売として、あなたと接していることを忘れないように!
また、投資用の物件であればリフォームはもちろん、入居者の募集や賃貸借の契約など面倒な手続きをしていく必要があります。このような伝手も代行会社を経由して紹介してくれるところがあります。
代行会社を利用するとどのくらいの費用が掛かるの??
金額の相場観としては、良い物件が見つかり、競売代行の委託契約を締結する際に、物件調査代行料としてとして3~5万円が必要になります。このお金は契約料的な位置付けであるようで、落札できなかった場合でも戻ってこないのが一般的のようです。
入札した物件が落札できた場合は、落札価格の3~5%を競売代行手数料として支払います。また、この時点で物件調査に掛かった費用を請求されることもあります。
明け渡し交渉などをおこない、占有者が立ち退き、無事に物件が引き渡しされた際に、成功報酬として落札価格の3~5%を競売代行手数料として支払います。
なお、これとは別に先に記述している明け渡し交渉で必要となる実費が加算されます。
まとめると。。。
- 物件調査代行料:3~5万円
- 落札時の費用:落札価格の3~5%
- 引き渡し時の費用:落札価格の3~5%
- 引き渡しまでに掛かった費用:実費30~50万ほど
- その他、雑費等も実費になります。
これらは、代行会社によって異なりますので、事前にしっかりと見積もりを出してもらい、後で揉めないように確認しておくことを強くお薦めします。
さいごに
その地域の不動産相場を知らないと高値で落札してしまうことがあります。個人で競売物件を購入する際は、きちんと不動産相場を調べた方が良いです。
なにかとお得な競売物件ですが、きちんとリスクを理解しなければお得どころか損をすることのリスクが高くなることもまた事実です。
代行会社にお任せする場合は、お支払する費用も含めて考えて下さい。
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