たかが1度、されど1度。回数を表すものではなく、単位に使われる「度」のことです。角度、気温、体温などいろいろな数量・程度を表すのに使われています。、その数字が1度変わることでどれだけ違いがあるのでしょうか。例えば、平熱時の体温が36度の人が、1度上がって37度になったら?気温が25度から26度に変わったら?1度の違いにそれを肌で感じることは出来るのでしょうか?普段の生活の中で少し「熱く・暑く」なってきたなと感じることはあって、そしてその時に計ってみると体温も気温も上がっていたということはあるかと思います。でも、1度の違いはほとんど感じることはないと思います。
気温が1度違うと?
普段、生活していて気温が24度と25度の差なんて感じることはないと思います。それは10度と9度を比べても同じです。しかし、これが地球規模で考えてみると相当に大きな差になります。例えば地球の表面には窒素や酸素などの大気が取り巻いていて、その中の二酸化炭素は地球の平均気温を14度ほどに保つのに大きな役割を持っています。こうした気体を温室効果ガスといい、もしもこれらが無かったとしたら地球の平均気温はマイナス19度まで下がってしまいます。18世紀の産業革命以降、たくさんの石炭や石油の消費により二酸化炭素の量は40%ほど増加しています。平均気温の上昇と二酸化炭素の排出量が関係するといわれている現在、これからも同じような活動が続いていくと2100年には0.3~4.8度まで上がると予測されています。近年の猛暑が続いた日本でも熱中症になる患者さんの多さが目立ちました。また、豪雨による被害が拡大されたりもしました。しかし、そんな猛暑でも平均気温にすると平年より1~2度高いだけなのです。普段感じることのない1度は平均気温で考えるととてつもなく自然界に影響を与えてしまいます。
体温が1度違うと?
人間の体温を上げるということを代謝を良くするともいいます。人によって病気への抵抗力には差があるものですが、体温が1度上がると免疫力が5倍ほどになり、1度下がると30%低下すると言われています。つまり体温が上がることで免疫力を上げ、風邪やインフルエンザに掛かりにくくなるということです。また1度の違いは、基礎代謝量も15%ほどの変動も生みだします。ダイエットをされた事がある方は基礎代謝量の大切さがお分かりだと思いますが、体温が1度違うだけで、同じものを食べても体温が1度低い人の方は15%ほどが脂肪になってしまうことになります。日本人の平均体温は36.89度とされているようですが、近年はそれよりもやや低い数値になっているようです。
勾配が違っても
世の中に上り坂と下り坂とではどちらが多いでしょう?もちろん正解は向かう方向によってその数は同じなわけです。特に上り坂でなんですが、歩いていてキツイなと思う坂の勾配って一体どのくらいなのでしょう。坂道などの場合は度ではなく、パーセントで表します。10%と表示された標識が立てられている坂道は、横に100メートル上に10メートル上った坂道だということになります。距離が長いと割りと緩やかに見えますが、歩いてみるとかなり急な坂道だと感じるはずです。私はまだ実際に見たことはありませんが、日本国内で急な坂道として30パーセントの坂道があるようですが、歩いて上るには相当キツイ上り坂だと思います。街中では標識があって、その勾配の大きさが数値で分かりますが登山などトレッキングの場合などは数値では分かりませんが、勾配の変化を肌で直接感じることが出来ます。例えば、富士山の4つある登山道の中では、富士宮ルートでは勾配は32.6パーセントとなっていて、8合目からに至っては40.7パーセントにもなります。私は御殿場から上ったことしかありませんが、かなりキツイ角度を感じることが出来ますよ。
さいごに
生活の中でその指数を表す単位はいろいろ使われています。何気ないものでもその数値が大きいと注意が行ってしまいます。しかし、数値が低いからといって無視出来るものじゃないものもあるわけですね。自分の体が健康かどうかなんて、数値が全てみたいなとこもありますもんね。実際、健康診断の結果はまはや数字のオンパレードです。特に体に異常を感じてるわけじゃないけど、数値が平均より少し高めでどうしよう・・明らかに太りすぎだなって思うけど、数値的にはそれほどの異常じゃなかった・・安心した、まあ使い勝手は人それぞれなんだとは思いますが。でも、人間ってもし生活の中から数字が消えちゃうと、不安だらけになっちゃうものなのかも知れませんね。
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