トゥレット症候群とは?症状の変化や病状をある少年との出会いから学ぶ。

メディカル
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トゥレット症候群。

あまり聞きなれない言葉かも知れませんが、簡単に言うと脳機能の障害のひとつで、自閉症やアルペルガー症候群などどちらかと言うとメジャーな感じのそれらと同じ、発達障害だと理解されるといいかと思います。

日本でも診断できる医師も少ないのが現状で、それらもトゥレット症候群の認知度を低くしてしまっている要因のひとつになっているのかも知れません。

しかし、この障害には周囲の理解が非常に大切な事なのは間違いないかと思います。

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それはチックから始まった

ある少年がいて、彼が10歳の頃に知り合いました。

活発で元気があっていつも駆け回っているようなどこにでもいる小学生の男の子です。

その子をずっと見ていて気が付いたのが、話をするときにまばたきや首や腕を振ったりと、落ち着きがなく感じました。

チックというものは知っていたので、もしかしたらこの子も・・と思いました。

授業中に鼻を鳴らしたり、咳払い(?)のような音を頻繁に出しているのを見て確信しました。

チックの症状には運動チックと音声チックというものがあって、まばたきや首振りの他にも臭いを嗅いだり、物を叩いたり人に触ったりするのが運動チックで、鼻を鳴らしたり咳払いをやたらとしたり、突然奇声を発したりするのが音声チックです。

どちらも本人が意識してやっている事ではありません。

複雑になってくるチック

中学2年生くらいの頃だったので、14歳頃だったと思います。

それまでのチックから少しずつ変化が表れてきました。

運動チックの変化で言うと、これまでの動きよりも大きく激しくなってきました。

しかし、何よりも音声チックの変化に戸惑いました。

それまでの奇声の中に、突然卑猥な言葉を叫んだりするようになりました。

話をしていて、何の脈絡もないタイミングでいきなり発してきます。もちろんこれらも所構わずですので、その場所によっては非常に周囲に不快感を与えてしまう結果になってしまうのは当然のこととなってしまいます。

その頃はあきらかに症状が変わっていたので、訊ねてみると薬も強くしてもらっているとの事でした。

単純に薬を強いものに代えれば良くなるというものではなく、やはり本人にも眠気や集中力が無くなってくるなどの「副作用」的なものもあったのも事実で、授業を抜け出したりしてしまうことも起きてしまいます。

親御さんもやはりそこを非常に心配していましたし、とてもご苦労されていました。

チックからトゥレット?

彼の症状の変化の大きさに触発されて、チックについてもう少し詳しく調べてみると、チックの動きが大きくなってきて、それが長期に続く場合にはトゥレット症候群と診断される場合があるとのことです。

実際、彼と話してみると医師からもそう診断されたとの事でした。抗ドーパミン作用の強い神経遮断薬などを服用させて症状を改善させたり、それに応じた治療を行う場合もあるとのことです。

薬で改善するのかどうかは、素人目に見ていて非常に疑問が残るところでもありますが、長期の服用が必要になるのかも知れませんし、それにトゥレット症候群の症状は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら改善する場合が多いらしいとのことです。

それに望みを掛けて是非改善して欲しいと思うのですが、「完全」に治癒することは残念ながらなかなか難しいことのようです。。

さいごに

これだけ医療が発展している世界でも、まだ追いつかない領域というのはあるようです。

トゥレット症候群の発症頻度は1万人に5人ほどとされていて、男女比でも3:1で男性に多いです。

医療が完全にそれを治癒することが出来ないのはどうしようもありません、これからの解明と治療法を願うしかありません。

ただ、とても感じるのは周囲の人たちの理解がとても大切だということです。

例えば、彼の言動や行動は周囲に対して不快感や、ときには恐怖感さえも与えてしまう事もあります。それが小さいお子さんならば余計にそう感じてしまうでしょう。

レストランなど公共の場で食事をしていても、周囲の好奇の目は非常に強いものがあります。

敢えて、そういう所で食事をしたりするのがいいと思ってたりもしましたが、本人がそれを気遣い、結果外へ出掛けたり、特定の人以外の人との接触を避けるようになったりします。

不快感や恐怖を感じてしまうのは当然のことだと思いますが、それがトゥレット症候群によるもので、トゥレット症候群なるものがどういったものなのかを、もっと世間が共有してもらえたらと思います。

トゥレットで悩んでいる人を助けることが出来るのは、医師だけではないと思います。

私たちひとりひとりが、少しでも理解してあげることが今は何よりの治癒になるのではないかと思います。

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