病気やけがを治すのに「薬」は必需品ですが、
正しく使わなければ思いがけない副作用を起こす場合があります。
体内に入れるものであり、間違った知識や思い込みによって
健康被害を起こさないよう、正しい薬の知識を知りましょう。
ここでは厚生労働省と日本薬剤師会が平成27年10月に出した、
「薬と健康の週間」のパンフレットを主に参考にしながら説明したいと思います。
副作用とは薬の作用の中で治療に必要な作用を主作用、
それ以外の作用を副作用と言い、代表的なものでは、かぜ薬による眠気などがあります。
薬の用法と量について
1.薬の用法について
薬はそれぞれ決められた用法で服用しないと、
効果が出なかったり副作用が起こったりします。
ですので、必ず決められた用法を守り服用してください。
用法には以下の8種類があり、それぞれ飲み方が違います。
①食前・・・食事の30分ぐらい前
②食後・・・食事のあと30分ぐらいまでの間
③食直前・・・食事のすぐ前に
④食直後・・・食事のすぐ後に
⑤食間・・・食事の約2時間ぐらい後に
⑥就寝前・・・寝る30分ぐらい前までの間
⑦何時間ごと・・・食事には関係なく指示された時間ごとで、夜の睡眠時は多少のずれはかまいません
⑧頓服・・・病状に応じて一時的に服用しますが、医師や薬剤師の指示に従ってください
2.薬を飲み忘れたら
飲み忘れたからといって2回分を次のタイミングで飲んでも、
効果を補うどころか副作用が起こる可能性があります。
飲み忘れに気づいた時の対応法は、
薬の種類や用法によっても違いますので、
事前に医師や薬剤師に確認しておくと安心です。
3.服用する量と期間は守りましょう
薬は指示された量より多めに飲んだからといって、
効果が増加するわけではありません。
逆に多く飲み過ぎることによって、
副作用が起こったり中毒症状が現れる場合もあります。
自覚症状が無くなったからといって、
まだ服用期間が残っているのに自己判断で服用をやめると、
病気再発の可能性もありますので、医師に相談してください。
薬を飲む時の水の量は、コップ1杯を目安にしてください。
少量の水では薬が喉や食道に張り付き炎症を起こすことがあります。
また医師より水分摂取を制限されている人は、
その指示に基づいた服用をしてください。
薬の副作用について
1.薬の服用の前に医師や薬剤師に相談すべき人
以下のような人は、薬を服用する際に医師や薬剤師に相談し、
用法を確認してから飲んでください。
①何かのアレルギーのある人
②副作用の経験がある人
③過去に医師や薬剤師から、使ってはいけないと言われている薬がある人
④現在、医師の治療を受けている人
⑤過去に大きな病気をした経験がある人
⑥肝臓・腎臓など、薬の成分を代謝・排泄する臓器に疾患のある人
⑦現在、他にも薬を飲んでいる人や、常用している薬や健康食品がある人
⑧現在、妊娠中の女性、妊娠の可能性のある女性、授乳中の女性
⑨高齢者
特別な環境で仕事をしている人(例:高所作業者やドライバーなど)
2.薬を服用の後に何か異常を感じたときの対応
副作用は重くなる前の早期対応が大事ですので、
すぐに医師や薬剤師に相談してください。
相談する際には、何の薬を、どれぐらいの量で、
どのくらいの期間使用し、どんな症状が出たのかを説明する必要があります。
代表的な副作用の症状は、
発疹、かゆみ、皮膚や粘膜が赤くなる、胃痛、発熱、だるさ、などです。
「薬の正しい保管方法について」
薬は湿気や光や熱に影響を受けやすいですから、
陽射しの当たらない、高温にならない所で保管します。
冷蔵保存を指示された薬は、冷蔵庫で凍らせないように注意が必要です。
有効期限を過ぎた薬は、他の薬の容器に入れ替えたり、
他の食品と一緒に保管しないでください。
誤って服用しないように、未開封でもそのまま捨てるようにしてください。
また保管場所ですが、服用後の戻し忘れにも気をつけ、
子供の手の届かない場所に保管しましょう。
子供の誤飲事故のうち、18.1%が医薬品や医薬部外品です。
特に重い副作用になる可能性の高い薬
(向精神薬、気管支拡張剤、血圧降下剤、血糖降下剤など)は
厳重にな保管が必要です。
さいごに
薬は正しい方法で服用すると
本来の治療薬の役割を果たしますが、
誤った方法で服用すると毒にもなります。
今から薬箱の保管場所がそこで良いのか確認し、
箱の中身を整理して、有効期限切れの薬や用法が
わからなくなった薬があったら処分したらいかがでしょうか。
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