お気に入りの靴は連続して何回も履くので、ほかの靴に比べてすぐに傷んでしまいますね。
あとになって、同じものをもう一足買っても良かったな!と思うころには、同じものはもう店頭には並んでいません。
そこで今回は、その革靴をできるだけ長持ちさせる保存法とお手入れ法を紹介します。
革という素材の性質は?
人間の皮膚の部分を動物では「皮(かわ)」と言います。
その天然の皮を薬品や染料で加工したものを、同じ「かわ」と言っても「革」と書きます。
革は加工されていても毛穴があり呼吸をしているので、そこが合成皮革や人工皮革と違うところです。
つまり革は乾燥している所では水分を放出し、湿っている所では水分を吸収して、人間の皮膚と同じように呼吸し生きているのです。
ここでは革も人間の皮膚と同じように手入れをしないと、老化(劣化)し皺(傷)になり堅く(もろく)なってくるということを理解していただきたいのです。
日々の保存のときに心がけておくことは?
基本的には人間の肌の手入れと革の手入れはほぼ同じで、日々のお手入れが大事です。
真夏の乾燥したアスファルトの上を長時間歩いたときには、霧吹きなどで水分を軽く補給してください。
突然の雨などで濡れた場合には、靴の中に新聞紙やティッシュなどを詰めて、日影の風通しの良い所で乾燥させてから保存してください。
最初から雨が降るのがわかっている場合は、防水スプレーで表面をガードしてから出かけてください。
防水スプレーは水が浸透しやすい甲皮と底の接着面に重点的にかけると、より効果が上がります。
何かのきっかけで甲皮の部分に汚れが付着した場合は、そのままで保存せずにその日のうちにクリーナーで拭き取りましょう。
そいしないと、その汚れが革の奥まで浸透し、あとで拭いても落ちなくなります。
また足の臭いが気になりだしたら、革が臭いを吸収しないように消臭スプレーでリフレッシュさせてください
お手入れに必要な道具は?
最低、これだけは必要なものを紹介します。
*へら・・・底の裏側や甲皮と底の間に、付着したり挟まったりしている砂利・泥などを取り除きます。
*ブラシ・・・甲皮に付着したほこり・汚れなどをブラッシングして落とします。
*クリーナー・・・ブラッシングで落ちない汚れをふき取ります。
*栄養クリーム・・・乾燥したり堅くなてきた甲皮に栄養分と水分の補給を行います。
*着色クリーム・・・色があせてきた甲皮部分を再度着色しなおします。
*その他、防水スプレー・消臭スプレーなど。
(スウェードなどの起毛素材のクリーナー・クリーム系は、専用のものを使ってください)
具体的なお手入れ方法は?
お手入れの方法を順番に説明します。
道具の使い方は上記の紹介文を参考にしてください。
①靴自体が濡れていないか、乾燥して表皮にひび割れがないか確認します。
②へらで底周りの砂利や泥を落とします。
しつこい汚れなどは湿らせた古い歯ブラシなどで強くこすって落としてください。
③甲皮や底の側面を中心にブラッシングして、丁寧に付着したほこりや汚れをおとします。
④ブラッシングで落ちなかった甲皮の汚れを、クリーナーで丁寧に落として拭き取ります。
⑤甲皮の汚れをすべて拭き取ったあとに、栄養クリームをまんべんなく塗り込みます。
⑥しばらくして甲皮に栄養クリームがなじんだら、色があせてきた部分を重点的に着色クリームで補色します。
⑦しばらくして着色クリームが乾いたら、甲皮の表面に光沢が出るまで再度ブラッシングします。
⑧最後に消臭スプレーを靴の内部に吹きかけて保存します。
アドバイス
普段はめったに履かない靴も、手入れしないと劣化していきますので、靴を手入れする場合は一度にまとめてやったほうがいいですね。
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