日本では、ベジタリアン(菜食主義者)は少数ですが、
外国では、かなりの割合で存在し、機内食でも、
ベジタリアン用の食事が用意されたりします。
一口にベジタリアンと言っても、その理由や、
食べても良い食品は様々です。
理由
肉食を禁じる理由は、宗教上の理由や健康上の理由、動物愛護の観点から、など様々です。
また、どこまで禁止なのかも、その理由によっても異なります。
哺乳類の肉はだめだが魚は良いとか、
卵や乳製品もだめなど、ベジタリアンも細分化しています。
動物愛護の観点
お肉となる動物を、人間が食べるために劣悪な環境で飼育し、殺すのがかわいそうという理由です。
さらに、動物だけでなく、植物にも命があるので、
枯れないように果物だけを食べるフルータリアンもいます。
精進料理
日本の精進料理も、宗教上の理由です。仏教の戒律によって殺生が禁じられているため、
野菜や豆類、穀類をメインにした精進料理が発達しました。
「精進揚げ」も精進料理の一つとして有名ですが、
厳密には、衣に玉子(動物性食品)を使用しないそうです。
また、豆類を利用して、肉類に似せた「もどき料理」も発展しました。
例えば、「がんもどき」は、
鳥の雁に似せて作ったことから命名されたそうです。
健康上の理由
先進国で、肉食に偏った食事によって健康を害することから、健康上の理由でベジタリアンになる人もいます。
しかし、人間の体はタンパク質でできていて、
必須アミノ酸をバランスよく摂取する必要があります。
また、不飽和脂肪酸も必要です。
これらを、肉類以外からきちんと摂取するのは、
非常に大変なのです。
実践されている人は、大豆製品を相当大量に摂取しています。
医療の現場では、肉・魚・野菜をバランスよく摂取するのが、
一番健康で長生きできると言われています。
宗教上の理由
日本の精進料理もそうですが、多くの国で、宗教上の理由で肉食を禁じていたり、牛や豚肉を食べなかったりします。
大学の時に通っていた学食では、留学生向けに、
メニューに使われている肉の種類を表示していました。
サンプルの前の札に、日本語と英語名のメニュー名に加えて、
牛肉を使っていたら牛のイラストが、
豚肉を使っていたら豚のイラストが描かれていました。
メニュー名だけでは肉の使用の有無が分からない場合にも、
分かりやすくて親切な表記だと思います。
大学の近くの食堂でも同じようなことをしていましたが、
店主の手書きの豚のイラストが、眉毛やまつ毛があって、
人面豚みたいになっていました。
さいごに
様々な理由のベジタリアンが存在します。日本では、食品の生産地などは表記していることが多いですが、
「ベジタリアン向け」と表記された食事はあまり見かけません。
色々な主義の人も生きやすいように、選択肢を広げるべきかもしれません。